離婚する時には、夫婦で築いた財産の分け方をしっかり決めておくことが望ましいです。
しかしながら、「とにかく早く離婚したい」「離婚できるなら財産なんていらない」という気持ちで、財産の分け方を決めないまま、離婚に踏み切られる方もいます。
そのような方が、離婚後に「やっぱり財産を分けて欲しい」と思っても、もはや後の祭りなのでしょうか?
→いえ、そんなことはありません。
民法768条2項は、離婚に伴う財産分与について、次のように定めています。
「財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。」
また、厚生年金保険法78条の2第1項は、離婚に伴う年金分割について、次のように定めています。
「第一号改定者又は第二号改定者は、離婚等をした場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、実施機関に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができる。ただし、当該離婚等をしたときから二年を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでない。」
このように、法律では、離婚してから2年以内であれば、財産分与や年金分割を求めることが可能となっています。
急いで離婚してしまったけれど、冷静に考えてみれば、やはりきちんと財産を分けて欲しい。
そのような希望をお持ちでしたら、離婚後2年以内に、家庭裁判所で、財産分与や年金分割を求める手続をお取りください。
なお、暴言・モラハラ・性格の不一致・DV・浮気などが原因で、「あの人の顔なんて二度と見たくない」「あの人にだけは絶対に会いたくない」「あの人に会うのがすごく怖くて震えてきます」という方もいらっしゃると思います。
そのような方は、弁護士を代理人につければ、概ね(100%とまでは断言できませんが・・・・)元配偶者と会わずに済みますし、元配偶者と話をせずに済みます。
以上、ご参考になれば幸いです。
「離婚してしまったから、今さら財産なんて分けてもらえない」と諦めてしまわずに、まずはお気軽にお問合せくださいね。
垂水駅前法律事務所 弁護士 松岡英和