垂水駅前法律事務所

浮気の慰謝料はいつまで請求できますか?

離婚の相談を聞いていると、「実は、昔、夫が浮気していたんです。」という話が出てくることがあります。

 

それでは、何年前の浮気まで慰謝料を請求できるのでしょうか?

 

慰謝料請求権は、被害者が損害と加害者を知った時から3年または不法行為の時から20年が経過すれば、時効で消滅してしまいます(民法724条)。

よって、浮気相手の氏名や住所を知ってから3年以内または浮気から20年以内であれば、夫や浮気相手に慰謝料を請求できます。

 

それでは、夫の浮気から30年が過ぎていれば、慰謝料を請求できないのでしょうか?

この点、民法159条は、夫婦間の権利の時効につき、次のように定めています。

「夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。」

よって、夫とまだ離婚していなければ、離婚後6ヶ月間は夫に慰謝料を請求できます

ちなみに、浮気相手に対しては、30年以上前の浮気の慰謝料を請求するのは無理でしょう。

 

このように、浮気の慰謝料については、①誰に請求するのか(配偶者か浮気相手か)、②離婚が既に成立しているのかによって、時効の成否が変わってきます。

 

慰謝料請求権が時効で消えてしまわないよう、くれぐれもご注意ください。

 

垂水駅前法律事務所 弁護士 松岡英和


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