垂水駅前法律事務所

労災保険ではカバーされない損害

お仕事で負傷された労働者は、労働基準監督署に労災保険の申請ができます。

労災保険でカバーされなかった損害については、勤務先に損害賠償を請求できます。

 

労災保険では、労働者に過失があっても、給付金が減らされることはありません

その一方で、勤務先に損害賠償を請求する場合には、労働者の過失に応じて賠償額が減らされます(過失相殺)

 

ところで、労災保険の申請をして、無事給付金を受け取れたとしても、それで解決というわけではありません。

以下のとおり、労災保険ではカバーされない損害があります。この点を忘れないようにしてください。

 

①労働者の慰謝料・物損は、労災保険でカバーされません

労災保険でカバーされなかった慰謝料・物損は、勤務先に請求します。

 

②労働者の休業損害(休業により得られなかった賃金)は、8割しか労災保険でカバーされません

労災保険では、労働者が休業すれば、休業補償給付(賃金の6割)と休業特別支給金(賃金の2割)が支払われます。

休業損害から休業補償給付(賃金の6割)を控除した残高を、勤務先に請求します。

※休業特別支給金(賃金の2割)は控除不要です。

 

【具体例・・・・労働者に過失がない場合】

事故前の賃金 30万円

労災保険の休業補償給付      18万円(6割)

労災保険の休業特別支給金 6万円(2割)

勤務先に請求できる金額  30万円(賃金)-18万円(休業補償給付)=12万円 (休業特別支給金6万円は控除不要)

 

上の設例は労働者に過失がない場合を想定していますが、労働者に過失がある場合には計算がより複雑になります。

労災保険の給付を受け取り、あといくら勤務先に請求できるのか?

そのようなお悩みがございましたら、遠慮なくお声掛けください。

 

垂水駅前法律事務所 弁護士 松岡英和


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